2017年7月3日月曜日

システムの保守・運用・管理におけるSLAの重要性と注意点

システムの保守・運用・管理については、サービスの質(サービスのレベル)が重要になってきます。


システムの保守・管理等で、ベンダー(受託者)側がなすべきこととして、合意したサービスのレベルを維持する、ユーザー(委託者)側があるサービスのレベルを期待している、ということがあります。


前回書いたように、ベンダー側が何をなすべきか、ということを契約で(個別契約においても)明確になっていないことが多いと書きましたが
少なくともこのサービスの質(サービスのレベル)が明確になっていれば、それを維持できているという点においては、ベンダー側は義務を果たしているということになると思われます。
(もちろん、保守・運営等の契約内容は、それだけに限らないと思われますので、それ以外については別途合意が必要です。)

このサービスの質、サービスレベルの基準を明確にしたものが、SLA(サービスレベル・アグリーメント)と呼ばれるものです。

SLAには、
 ・ サービスの品質基準
 ・ 品質基準を達成できなかった場合の対応

といったことを明記します。

品質基準が、ベンダー側が業務としてなすべきことの範囲に関わってきます。

また、品質基準が達成できなかった場合の対応は、ベンダー側の責任の範囲に関わってきます。

一般的に、SLAに関することは、基本契約とは別に書面を作成することが多いと思われますが、重要なことは、
 ・ 基本契約との紐づけ

です。

これは、開発契約でも同様ですが、基本契約書と、それ以外の合意に関する書面(契約書面)が紐づいていないことが多いことが、トラブルの一因にもなっています。

SLAの場合、‘単なる’目標値のようになっていないか、注意が必要です。


また、品質基準について、それが達成されなかった場合(目標値が達成されなかった場合)の対応としては、委託料の減額(返還)といったことが考えられますが、場合によっては損害賠償の問題になる可能性もあります。

これについては、品質基準が達成されないということは債務不履行の問題になると考えられます。

従って、基本契約書やSLA、その他の個別契約において損害賠償の規定が設けられていなくても、ベンダー側としては損害賠償の責任が生ずると思われます。


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