2016年9月23日金曜日

30年間繰り返されてきた失敗、30年間繰り返されるであろう失敗

IT契約に関するトラブルは、同じようことを原因に繰り返されてきていると思っています。

「なぜ30年間同じ失敗が繰り返されるのか」というレポートで、高田寛教授(富山大学経済学部経営法学科)は「開発失敗に至るプロセスに30年間変化なし」として、

「受注金額が決まっているにもかかわらず、交渉過程において次から次へと要求が増えていきます。そのうちに、予定の納期が迫ってきて、契約が締結されていないまま作業を始めてしまいます。」とそのプロセスを説明しています。
BUSINESS LAW JOURNAL No.64 2013.7 p54p55

2016年9月12日月曜日

IT関連業務の契約の特徴 ~ 契約すべきことが分かっていないということ (後編)

前編からのつづき

開発するシステムの内容というのは、確定した仕様である、ということについてはおそらく異論はないと思います。
(ここで、仕様が‘いつ’確定するのか、という議論は別のことであると理解しておく必要があります。)


本来、そこが明確にならないと、開発にどれだけの費用が掛かるのかの見積もりもできないはずです。

しかし、何らかの見積もりを出さないと契約してくれない、という状況もあることは事実でしょう。

2016年9月4日日曜日

IT関連業務の契約の特徴 ~ 契約すべきことが分かっていないということ(前編)

IT関連業務、特にシステム開発やWeb制作等に関する契約について、他の契約ではあまり問題にならなかったことが問題になることがあります。

その一つが、
 契約の内容が決まらない段階で契約が締結される

という点です。

ほとんどの契約の場合、契約の内容が分かって契約を締結します。