2017年7月3日月曜日

システムの保守・運用・管理におけるSLAの重要性と注意点

システムの保守・運用・管理については、サービスの質(サービスのレベル)が重要になってきます。


システムの保守・管理等で、ベンダー(受託者)側がなすべきこととして、合意したサービスのレベルを維持する、ユーザー(委託者)側があるサービスのレベルを期待している、ということがあります。

2017年6月26日月曜日

システムの保守・運用・管理におけるリスクと業務の範囲

システムの保守・運用・管理におけるリスクには、主に次のようなものがあげられます。

・ システム障害
・ 情報消滅
・ 情報漏洩

そして、これらが起きた際にベンダー(受託者)側にとって問題となるのは、
ベンダー側の
債務不履行
 や
 過失の有無
です。

債務不履行は、契約上の責任(義務違反)ですが、契約書に書かれてある業務を明らかにやっていない、というケースはほとんどないと思われます。

2017年6月19日月曜日

保守・運用・管理に関する契約 ~ 請負と委任のトラブル


しかし、実際には請負契約か委任(準委任)契約でもめることが多くあり、それにより委託料等の一部の支払い拒絶や減額の要求がなされることがあります。

では、そのもめる元になっていることは何なのでしょうか?

2017年6月5日月曜日

開発の遅れの原因は... ~「当然のこと」も「当然のこと」だけでは済まされません

システム開発等では、当初のスケジュールや納期が延びることはよくあることです。

スケジュールの遅延、納期の変更等について、ベンダー(受託者、開発)側に一方的なミスがあれば、それについての責任はベンダーにあることは当然と思われます。

しかし、実際には一方的な原因で遅延等が生じることは少ないのではないでしょうか。

2017年5月22日月曜日

要件定義の契約類型と注意点 ~ 準委任契約ではあるけれど

システム開発契約においては、段階(フェーズ)ごとに個別契約を締結することが多いと思います。

そのうち、要件定義の契約については、委任契約(準委任契約)ですると思われます。

委任契約(準委任契約)は、事務を委託するという契約で、仕事の完成が目的となる請負契約とは異なります。


2017年5月8日月曜日

見切り発車で開発を始める際の注意点

システム開発において、後々に問題になることの一つに、
 見切り発車で開発を始める

ということがあります。

発注者側からの正式な発注書が出ない、一方で、早く開発に取り掛からないと納期に間に合わない、などという事情があると思われます。

2017年5月1日月曜日

保守管理は準委任契約+α

前回
 保守管理(運用)は、全体として委任契約で、請負契約の業務が入る契約

と書きました。

保守管理(運用)の場合、多くは「何かの完成(仕事の完成)」を目的とするわけではありません。

委任契約の目的は、
 事務の委託

です。

2017年4月25日火曜日

請負契約と委任契約を分けるポイント

システム開発やWeb制作が終了した後、そのシステムやWebの保守管理(運用)の業務を受ける場合も多いと思います。

通常、
 開発・制作 → 導入・統合 → 保守管理(運用)

という流れになると思います。

それぞれの段階における契約(契約類型)は、次のようになるのが一般的です。

2017年4月17日月曜日

請負契約なのに「プロジェクトマネジメント義務」

システム開発やWeb制作等のIT契約においては、「全体として」は請負契約になると思われます。

受託者側として委任契約を望まれる場合には、こちらもご覧ください。

さて、システム開発等のIT契約が請負契約であるのに、
 受託者側にプロジェクトマネジメント義務が課せられる

のは、なぜでしょうか?

2017年4月10日月曜日

契約書のタイトルが「請負契約書」なら‘請負契約’、「委任契約」なら‘委任契約’

契約書のタイトルは、どのようなものにするか...

 「システム契約開発請負契約書」
か、それとも、
 「システム契約開発委任契約書」
か...

やっぱり、
 委託する側としては、完成させてもらいたいから、
 「システム契約開発請負契約書」

 受託する側としては、そんな責任を負いたくないから、
 「システム契約開発委任契約書」
か...

2017年4月3日月曜日

「仕事が終わらない」理由は契約にある

システム開発などのIT契約において、

 クライアントからの変更要求で仕事(業務)が終わらない

という話をよく聞きます。

このようなことが起きる一つの原因は、

変更に関する契約がキッチリなされていない

という点にあります。

さらには、
 請負契約としているのに、仕事の完成を明確にしていない

という点があげられます。


IT契約の多くは、契約締結当初、

 仕事の完成の内容 = 開発するシステム

が明確になっていないことがほとんどであることはご承知のとおりです。


しかし、これが決まらない限り、仕事(業務)が終了しないのも事実ですし、契約の考え方からいってもその通りです。


では、何らかの形で仕事の完成の内容を決める必要があります。


そのプロセス、決定方法等が決められていないことが問題となります。


仕事の完成の内容を決定する方法等が決まっていなければ、

 開発者側が請負契約だと思っていても、準委任契約であると判断されてもやむを得ません。


請負契約や準委任契約というのは、単に契約書のタイトルにそのように書いていればそうなるというわけではありません。


法律で規定されている要件に合うような規定にしておくことが重要です。



IT関連業務の契約・契約書に関するご相談やご依頼は、こちらの相談フォーム、又はメール(infoアットtakagi-office.biz)からどうぞ。
契約事項、契約内容のアドバイスから契約書作成まで対応いたします。

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2017年3月27日月曜日

民法改正とシステム開発契約

民法が120年ぶりに大きく改正される、という話が出ていますが、実際にいつこの改正案が可決・施行されるのか、ということは、まだ分かりません。

その民法改正について、システム開発の契約にも影響を及ぼす、とされています。

実際に成立していない法律についてアレコレ言うのは意味がないことではあることですが、ひとつ、‘あらかじめ’知っておいてほしいことがあります。

2017年3月13日月曜日

日常の業務と契約

(IT関連事業者の方に)契約の話をさせていただくと、
日常の業務と契約は関係がない

と考えているのではないか、と感じるときがあります。

これについては、
日常の業務が契約の締結や履行と関わっているか否か

で異なると思います。

2017年3月5日日曜日

IT契約において、履行すべき「内容」とは? ~ 「仕様書」と「仕様」

契約を締結するにあたっては、
 「履行」までを考える必要がある
と、前回書きました。

何が契約の「履行」となるかは、契約で決まっているはずですが、それが明確になっていないのが、IT契約における一つの特徴ともいえます。

「履行」の内容は、請負契約と準委任契約では異なります。

システム開発の場合、
 請負契約では
 「決められた」システムを完成させる

 準委任契約では
 システムを開発するという行為をする

ということなります。

2017年2月20日月曜日

契約は、「履行」までを考える必要がある ~ 履行すべき「内容」とは?

契約は、
締結だけではなく、履行までを考えておかなければならない

ということはとても重要です。

契約の締結ができて、
 契約の締結ができた(仕事がもらえた) → 報酬がもらえる(契約内容が履行される)
と思いがちですが、
これはちょっと正確ではありません。

2017年2月12日日曜日

「契約として」対応できている、とは? ~ 原因はユーザー、責任はベンダー!?

前回、システム開発の遅れ(完成の遅れ)について「契約として」対応できているか? について書きました。


では、契約としてとはどういうことでしょうか?

2017年2月6日月曜日

システム開発の遅れに「契約として」対応できていますか?

システム開発などのIT契約におけるリスクの一つに、
 開発の遅れ(完成の遅れ)

があります。

システム開発契約については、(準委任契約であっても)納期が決まっていると思われます。

契約で決まっている納期が守られない場合、例えば3月31日に納入するとなっている場合に、3月31日に納入できなければ、
 契約上は、債務不履行(さいむふりこう):履行遅滞(りこうちたい)

ということになります。


委託者(ユーザー)としては、債務不履行を主張して、委託料の減額を要求したり、損害賠償を請求したりすることもあり得ます。

しかし、受託者(開発者、ベンダー)側としては、

2017年1月30日月曜日

最初に契約書を交わしたのに... ~ それでもトラブルになるのも「必然」...

IT契約で、
 最初に契約書を交わしたのに、後々、クライアントからの変更等でなかなか開発、プロジェクトが完成しない

ということを聞くことがよくあります。

この点は、IT契約の特徴でもあり、またIT契約に関する‘誤解’にも関連するところでもあります。


通常、ある契約を「締結」すると、あとはその「履行」が問題となります。

2017年1月16日月曜日

「制限のある」委託料で、「制限のない」業務を受けますか?

前回、IT契約では多くの場合、
 ユーザー(委託者)側は、請負契約を希望する
 ベンダー(受託者)側は、請負契約を希望する

と書きました。

しかし、(ベンダー側にとって)実際にはこれとは矛盾することを行っています。

「契約締結」の意義


IT契約においては、(全体として)準委任契約にするか請負契約にするか、ということが問題になることがあります。

多くの場合
 ユーザー(委託者)側は、請負契約を希望する
 ベンダー(受託者)側は、請負契約を希望する

とされています。

請負契約と準委任契約の基本 (後編)

IT関連業務の契約については、「請負契約」と「準委任契約」の2つの契約類型が重要となります。

この2つの契約の違いを簡単に言えば、
 請負契約は、結果が重要
 準委任契約は、プロセスが重要

ということになります。