システム開発において、後々に問題になることの一つに、
見切り発車で開発を始める
ということがあります。
発注者側からの正式な発注書が出ない、一方で、早く開発に取り掛からないと納期に間に合わない、などという事情があると思われます。
見切り発車になるとはいえ、発注者・受託者の間である程度の合意は形成されていると考えるのが通常ですが、後々のトラブルの状況によっては大きな問題になることがあります。
問題になる一つの点として、
見切り発車的に始まる開発は、契約する権限を有する者との合意に基づいたものか
ということにあります。
正式な発注書が出ない
正式な契約書への押印ができていない
という状況は、
契約する権限を有するものが契約締結の意思表示をしていないということである可能性があります。
単純に発注書が出ない、という問題ではないという点に注意しなければなりません。
法人にあっては、契約締結をする権限を有する者は限られています。
営業を担当する者が発注する、契約します、と言っているだけでは、契約は成立したとは考えられません。
見切り発車がやむを得ない場合であっても、少なくとも、契約の権限を有する者が発注することについて承諾をしているかは確認しておくことが重要です。
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