2017年2月12日日曜日

「契約として」対応できている、とは? ~ 原因はユーザー、責任はベンダー!?

前回、システム開発の遅れ(完成の遅れ)について「契約として」対応できているか? について書きました。


では、契約としてとはどういうことでしょうか?


これは、まず、
 開発の遅れの原因がどこにあるか
ということを明確にすることがあります。

簡単にいえば、委託者(ユーザー)側の責任による開発(完成)の遅れを、受託者(ベンダー)側が責任を負うような形になっていないか、ということです。

そして、
そのような委託者(ユーザー)側の責任による遅れの場合に、当初の納期等が遅れる可能性があることが、契約上、契約書上、明確になっていること
が重要です。


さらに、
基本契約(書)と、その後に締結される「契約」が、キッチリ紐づいて(関連付けられて)いるか、
ということ。

これは、基本契約書には、(準委任契約でも請負契約でも)契約成立の要素が入っていることはほとんどなく、基本契約締結後に交わされて(いるはずの)契約が重要であるということによります。


もうひとつは、
遅れの原因となった意思決定等の経緯が残されており、これもできる限り基本契約書と紐づいていることが望ましい、
ということです。


これら4つのことがキッチリできて、「契約として」対応できている、といえるのではないかと思います。


しかし、これらうち、
 1つでもキッチリできている内容はあるでしょうか?

実際には、1つもできていないことのほうがほとんどだと思います。

理由のひとつに、
 委託者(ユーザー)のほうが力が強いので、そこまで言えない、契約できない
ということがあるように思います。


しかし、様々な裁判事例を見ていると、
 最終的に責任を取らされるのは委託者(ベンダー)であるほうが多い
というのが事実ですし、

その原因は、
 専門家としての説明責任を怠ったから
ということも多いです。

つまり、
契約締結前に説明が必要なのですが、委託者のほうが強いから、ということで説明を怠っていると、結局その責任は説明責任を怠った受託者側が負わされるのです。


システム開発の遅れについて「契約として」対応できていますか?


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