2017年6月5日月曜日

開発の遅れの原因は... ~「当然のこと」も「当然のこと」だけでは済まされません

システム開発等では、当初のスケジュールや納期が延びることはよくあることです。

スケジュールの遅延、納期の変更等について、ベンダー(受託者、開発)側に一方的なミスがあれば、それについての責任はベンダーにあることは当然と思われます。

しかし、実際には一方的な原因で遅延等が生じることは少ないのではないでしょうか。


スケジュールや納期の遅延等については、様々な要因が考えられますが、大きな問題となるのは、
 開発スタート後における、要件の追加、仕様の変更

に関するものです。


これについて、ベンダー側としては、
 要件定義に基づいて仕様を確定した
 確定した仕様に基づいて工数・作業量を確認し、期限を決めた
従って、
開発スタート後における要件の追加・仕様の変更による納期の遅れの原因は、ユーザー(委託者)側にある

と考えていると思われます。

これらの考え方の大前提として、
 (当初の)要件定義と仕様確定に関するプロセス

が重要となることは言うまでもありません。


ここで、さらに重要となるのは、
 (確定された)要件の変更
 (確定された)仕様の変更

について、
その変更により、スジュールや納期等にどのように影響を及ぼすかを、ベンダーはユーザー側に説明する義務があるとされている点です。

また、そのような説明をしたうえで、変更の内容等について再検討を促したり、費用追加がある場合にはその説明をすることも求められています。


このようなことは、上記のようなベンダーの考え方(変更があれば、スケジュール・納期が延びることは当然のことだ)とは少し合わないこともあると思われます。

「当然のことだからいちいち説明しなくても大丈夫だろう」という思いがあるかもしれませんが、そのような対応が認められにくいのが実情です。


開発側内部でのスケジュール管理も重要ですが、委託者側との関係におけるスケジュール管理も重要となります。


委託者に対して上記のような説明をしたこと、
判断してもらうために提供した情報、
委託者側が判断した内容
及び
それに基づくスケジュールへの影響とその承諾等
について、書面等で残しておくことも重要です。


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