2016年9月12日月曜日

IT関連業務の契約の特徴 ~ 契約すべきことが分かっていないということ (後編)

前編からのつづき

開発するシステムの内容というのは、確定した仕様である、ということについてはおそらく異論はないと思います。
(ここで、仕様が‘いつ’確定するのか、という議論は別のことであると理解しておく必要があります。)


本来、そこが明確にならないと、開発にどれだけの費用が掛かるのかの見積もりもできないはずです。

しかし、何らかの見積もりを出さないと契約してくれない、という状況もあることは事実でしょう。


まず、委託者としても受託者としても理解が必要なのは、
 ・ 使用が確定するまでは、契約の内容は決まらない

ということです。

そして、
・ 委託者にこれを理解してもらう責任は受託者側にある

ということに、受託者側としては注意が必要です。


前回に書いたように、ほとんどの契約では、契約内容が明確になってから(確定してから)契約を締結します。

ある意味、
契約はゴールであって、後はその履行をするだけ

ということです。
(売買契約を締結するのはゴールで、後はその引渡しをするだけ、ということです。)


しかし、システム開発やWeb制作の契約の場合、
 契約は、契約内容を決めていくスタートである

という考え方が重要です。


そうすると、契約の内容も全く変わってきます。


売買契約のような場合、どのような製品を幾らで販売する、ということが明確になっているので、その製品の内容とその製品を引き渡すこと、それに対して決められた代金を支払う、ということを契約で決めておくことになります。


一方、システム開発やWeb制作では、
 ・ ‘どのような’システム、Webなのかを‘決めていく’こと

を契約で決めておく必要があります。


契約で決めるべきことを決めていないことが、IT関連業務における契約トラブルの原因であろうと思われます。


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