2016年8月29日月曜日

プロジェクトマネジメント義務・序論(後編)

開発が進んできたときに、以前決めたことを、「ちょっとココ変えて」というふうに言われた場合、開発の進捗状況や、あるいはデザイン的にもいろいろが差しさわりが出てくることはよくあることですが、一般的に、発注者はそれがそんなオオゴトとは思っていません。

「ちょっと変えるだけやんか」くらいのイメージで、その‘ちょっと’がどれくらいの作業量や時間がかかるか、ということも、委託者側は通常は知りません。


一方で、受注者側はそういった要望が出てきうることを、ご自身のこれまでの経験や、他人の事例からも分かっていると思います。

もし、そのような変更をしたら、
当初の約束だった日までに完成しないかもしれない

あるいは、
当初考えていた委託料では賄えない、追加費用が必要だ

そういった状況も出てくるかもしれません。

当然、そんなことになるなんて発注者側は分かりませんから、受注者側から説明が必要です。
(実際に遅れが出てしまって、納期が過ぎてしまってから「あの時にココ変えてって言われので、遅くなりました」という説明では、話になりません。)


とはいえ、突然、そんな説明をされても、発注者側としては

 「え? そんなこと聞いてないよ」

ということもあります。

 「〇月〇日までに納入できます。」
 「委託料は〇〇万円です」
という話だけで仕事を受けていた場合、突然別途料金がかかります、納期が遅くなります、と言われても、「え? そんなこと聞いてないよ」となっても当然ではないでしょうか?

受託者側にとっては、変更するのに時間もかかるし、費用が発生することは常識かもしれませんが、素人である発注者には分かりません。


発注者には、そういたことを受注者に説明する義務があります。

そして、納期が延びる可能性がある、あるは別途費用がかかる、といったこと説明の根拠になるのが、契約です。


受注者側には、開発の専門家として、そういったことの説明義務があります。
これを、裁判でプロジェクトマネジメント義務と表現したものと思われます。


また、
IT関連業務、システム開発業務で、最初の段階で全てが決まらないのは、これも受注者側にとっては常識的なことでしょう。


そうすると、決めていく過程、そのために受注者側としてするべきこと、相手方に請求するための根拠を、契約で定めておく必要がある、ということになります。


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