2016年12月5日月曜日

「瑕疵」と「仕事の完成」の認識(後編)

前編からのつづき)
システム開発等における「瑕疵」の問題に関連し、システム開発等における「仕事の完成」の認識が問題になります。

請負契約では、「仕事の完成」に関する合意が契約成立の一つの要件になります。


つまり、システム開発等において、
 ・ いつ、仕事は完成したのか
 ・ どのようになれば仕事の完成といえるのか

ということです。


ところで、IT関連の業務をやっている方からよく「クライアントが仕様の変更等を繰り返して、業務が終わらない」という悩み(?)を聞きます。

これについては、おそらく「仕事の完成」について双方の認識の違いがあると思われます。

契約当初の段階で、「仕事の完成」についてキッチリ合意しておく必要があります。


では、システム開発等に関する(法律的な観点としての)「仕事の完成」とは、どういうことをいうのでしょうか。


システム開発等に関しては、一般的には、
 ・ (確定した)仕様に対応したシステムができたこと

と考えられています。


ここで、敢えて「仕様書」と書かないのには理由があります。

実際には、いわゆる仕様書と考えられている書面を、事前にキッチリ作成していないことが多いからです。

しかし、「(いわゆる)仕様書がない」=「仕様は確定していない」とは違うと考えられます。

「契約書がない」=「契約は成立していない」とは異なることとよく似ています。


「(確定した)」としているのは、本来はどこかで仕様は確定し、それを元にして開発(プログラム)業務が進んでいるはずだからです。
(実際には、そこすらあやふやなこともありますが...


いわゆる「瑕疵担保責任」としての修正と、「仕事は完成していない」ことについてのやり直しは、まったく別のことであることを認識する必要があります。
 
また、「瑕疵」の問題以前に、「仕事の完成」を明確にする必要があります。


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