2016年12月26日月曜日

システム系とWeb系の連携の注意点(後編)

システム系とWeb系それぞれの仕事の進め方や考え方といったことは、私が書くよりもそれぞれの分野の方からお互いに話を聞いていただくほうがよいと思います。

ここでは、どのような点に注意すべきか、どのような問題が起こり得るか、ということをいくつか考えてみたいと思います。



クライアント(委託者)からWeb制作の依頼があった場合に、システムを導入する必要があり、Web制作会社からシステム開発会社に発注するケースを想定します。

まず、契約関係から考えると、
・ クライアントに対する説明責任はWeb制作会社にある

ということになります。
クライアントとシステム開発会社の間に直接の契約関係はないからです。

このような場合、
 ・ システム系とWeb系で、説明に関する考え方に違いはあるのか?

という点が問題になります。


また、実務的には、

・ Web制作会社がクライアントにOKと言っておいて、システム開発会社が(時間的、金銭的、性能的に)無理、となった場合の責任問題

が出てくることが考えられます。


また、
 ・ (クライアントに対する説明責任は、直接的にはWeb制作会社にあるが)補助的に、システム開発会社が説明する必要があることを、契約で明確化する

ということも考えておく必要があります。


さらに、
・ 双方の役割分担

を、契約で明確にすることが重要です。

協業(連携)でよく問題になるところで、お互いが「この業務は当然相手側がやるべきことだ」と思っている場合があり、それがクライアントとの契約に影響を及ぼすことがあります。


また、IT契約における契約類型としては、請負契約準委任契約が一般的ですが、それぞれの内容を理解することが重要であるとともに、注意すべきことがあります。

例えば、クライアントとWeb制作会社の契約を請負契約で締結した場合に、Web制作会社とシステム開発会社の‘委託’契約を準委任契約にした場合、二つの契約の関係や、実務上のマネジメントが非常に難しくなると考えられます。

・ 請負契約と準委任契約では責任のあり方が違う
ので、
・ 「仕事の完成」に関わることや、性能責任に関しても異なる

とも考えられるからです。


これらは、お互いが相手方の仕事の進め方や考え方などを知っておかないと、しっかりとマネジメントできないことにもなります。


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